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金魚や熱帯魚に耳はある?人間やテレビの音、振動は聞こえてる?

金魚や熱帯魚などの魚類には、一見、人間のような耳が無いので「耳は無い」と思われがち。でも、金魚や熱帯魚など、魚の頭の中には、耳と同じ働きをする「内耳(ないじ)」という器官があって、ちゃんと聞こえていたりする。

また魚には、我々人間とは違い、この「内耳」以外にもう1つ音を感じとれる器官「側線」がある。体の両脇、左右真ん中あたりにエラから尾の方にかけて続く点々の線がそれで、この側線で音や振動を感じている。

それなら、「魚は人間よりも耳が1つ多いんだから、人間よりも耳が良いの?」って疑問が出るわけだけども、単純にそういう話にはならない。むしろ、振動には敏感でも、耳は人間よりも良いとは言えない。

人間の耳の可聴範囲は、おおよそ20Hz~16,000Hz(ヘルツ)で、最小音圧レベルは0dB(デシベル)。それに対し魚類は、ウエーバー器官を持ち耳が良いとされている金魚(フナやコイ)でも、可聴範囲は100Hz~2,500Hzで、最小音圧レベルも30dBほど。おまけに、周波数が高くなると極端に聞こえなくなるらしく、養殖の自動給餌で使われている周波数なども200Hz程度だ。

つまり、人間の女性の声が700Hzぐらいだとすると、金魚はともかく、熱帯魚などは水面に向かって声を掛けられても聞こえていない可能性がある。ましてや、高いソプラノな歌声では、ほとんど聞こえていないと思う(歌わないだろうけど)。

また、水中であること、水槽のガラスによって隔てられていることを考えると、人間の話し声やテレビやオーディオの生活騒音は、金魚や熱帯魚にはほとんど聞こえていないと思われる。なぜなら、水の外から発せられた音は、そのほとんどが水面で反射されてしまうから。

感覚的には、プールの時間などで水中に潜ると、先生の声や生徒の話声、周囲の騒音が聞こえづらくなるのと同じ。空気と水とでは、それぞれ音波のインピーダンス(抵抗値)が著しく異なるため、その多くは水中には入らず水面で反射されてしまう。よって、水中に入る音の大きさは非常に小さいものとなる。

水中で聞こえる音の周波数が空気中と変わらないにしても、そうして水中に入った音はとても小さく、水槽を隔てた人間の話し声やテレビの音などは、金魚や熱帯魚にとってはほとんど問題無いレベルの音となり、騒音と呼べるレベルにはならない。

しかし、振動は別。

魚は熱帯魚であれ金魚であれ、音よりも振動のほうに敏感に反応する。なぜなら、魚は先にあげた「側線」で水中で動く魚の存在や水の動きを、水粒子のわずかな振動で敏感に感じ取っているから。その意味では、側線は音を聞くというよりも、わずかな水圧や水流の変化を感じとるための器官と言える。

その点からすれば、水槽を不安定な水槽台に置くことや、水槽のガラスを叩くことは、水槽の周りで大声を上げることよりも、金魚や熱帯魚には迷惑な行為と言える。

玄関などに水槽を置く場合や、水槽台にラックや下駄箱を利用している場合などは、玄関の開け閉め、ラックや下駄箱の開け閉めをなるべく静かに、振動を起こさないようにしたほうが良いかもしれない。

音と違い、振動は金魚や熱帯魚など、魚たちに直接伝わるのだから。

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超音波工学入門
社団法人 日本音響学会 Q&A

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